平凡な私の獣騎士団もふもふライフ
銃弾が木や土に当たる音、もう何がなんだか分からなくなるくらい銃声が続き、リズはがむしゃらに走るしかない。

「どんどん追い込め! 相手は女一人と獣だ!」

「あっちは罠を仕掛けてある場所だ! そのまま追い込んで向かわせろ!」

「ははっ、罠のどれかに引っ掛かればこっちのもんだ!」

罠……? ここに、この子達みたいな子を、他にも掴まえるための罠を仕掛けているの?

リズは、後ろから聞こえてきたキーワードを耳にした途端、かぁっと怒りが込み上げるのを感じた。何も出来ない自分が悔しい。

「ひどい、どうしてそんな――」

「ヴォン!」

またしてもカルロが大きな声で吠えた。そんなことを言っている場合じゃないだろう、と一喝された気がした。

走ることに集中しなければならない。今はまだ当たっていないにせよ、男達が威嚇射撃に切り替えているとしても気を抜いたら銃弾で狙われる。

「そうよね、この子達のために、今は自分の出来ることをしないと……ッ」

必死に足を動かして前へと進みながら、リズは怖くて震えそうになる口を一度きゅっとした。

上がり続けている銃撃音で耳がぼわぼわする。近くに被弾するのを感じるたび、身体に撃たれたら、と想像して心臓はずっとドクドクしている。

リズは、腰が抜けそうな自分を奮い立たせるようにカルロを見た。

「もしここに、獣騎士の誰かが入ってきているのなら合流する。いないのなら、このままどうにか町まで降りて、そこで助けを求める」

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