平凡な私の獣騎士団もふもふライフ
自分達のすべきことを改めて確認するように告げた。カルロが普段と違う余裕のない険しい表情で、こくり、と頷き返す。

リズは、カルロと一緒になって走り続けた。

やがて、ふと、男達の発砲音が遠ざかり出したことに気付いた。

もしや、この一帯に例の罠とやらを仕掛けているのだろうか……? だから、彼らは先程の『追い込め』を実行して、一旦足を止めて撃っている?

「カルロ、気を付けて。ここから、彼らが仕掛けた罠があるかも」

幼獣達を胸にぎゅっとしたリズは、心配になって隣を走るカルロを見た。村で見たような、短時間で仕掛けられる狩猟用の罠を思い出していた。

「この子達みたいな幼い用だけじゃなくて、害獣対策向けの、獣の足を狙うような物もあるかもしれない」

するとカルロが、何か言いたげな顔をした。けれど伝える手段がないのを、歯がゆく思うような苦渋を表情に滲ませる。

人間によく狙われる。普段から獣騎士が巡回などでも対応に当たっているが、他にも古い罠が残っていたりするとリズは思い付かないままでいた。

うまくいけば、このまま男達を振り切って下山出来る。

そう考えてリズの足に一層力が入った。

どのくらい走っていただろうか。気付けば、銃撃音は途切れていた。足音や気配もないのを感じて、リズは後方の様子をチラリと確認する。

「追って来ては、……いないみたいね」

どうやら『追い込みの発砲』は打ちやめたらしい。

この辺りに彼らの罠が張られているのだろう。もうかかった頃だろうと甘く見ているのか。
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