平凡な私の獣騎士団もふもふライフ
なら、もう、彼とは会えないのかもしれない――。

「せめて世話係りとして、この子達だけでもどうにか助けないと」

リズは、自分を奮い立たせるようにそう口にした。

意識もなく、ぐったりとしている二頭の幼獣を胸に抱き締める。

この子達を、助ける手段を考えなければならない。こうしている間にも、先程の男達が自分達を捜して近くまで来ているかもしれない。

見付かってしまったら、この子達が連れて行かれてしまう。そんなことは絶対に駄目だ、自分の命に代えても――。

でも、どうやってこの穴を登ればいいの?

考えても考えても、何も浮かばない。自分が無力であることばかりが実感させられて、とうとう潤んだ瞳からじわりと涙が溢れてきた。

先程だって、カルロがいたから銃撃の嵐をくぐり抜けられたのだ。

「…………ごめんなさい、私、何も出来なかった」

ぽろぽろと涙がこぼれて、頬を伝い落ちていった。

嵐の前触れのような静けさの中で、リズは先程のけたたましい銃撃音を思い返した。小さく震え出した腕で、それでも、と二頭の幼獣を抱き締める。

「でも、あなた達のことは、きっと必ず助けるから」

一度溢れ出した涙は止まらなくなって、本当に自分の子みたいに愛しい白獣の子供達を、胸にかき抱いて生きている温もりに泣いた。

その時、遠くで発砲音が上がるのが聞こえた。
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