平凡な私の獣騎士団もふもふライフ
だって戦闘獣は、かなり大型の肉食種だ。幼くても犬や猫と違ってそんなに小さくはない――らしいとは、入社した日に危険性と一緒に聞かされたばかりである。

「ま、待ってください。あの、牙とか」

「ああ、大丈夫ですよ。まだミルクの時期で、牙の先は丸いんです」

安心させるようにコーマックが笑顔を向けてきたが、どこか心配するように控え目だった。

「でも力は強いですし、本気を出されたら噛みちぎる方法はあります」

「噛み、ちぎる……」

「はい……あの、ですが安心してください。もし少しでも危ないと分かったら、その時点で僕が止めますから。その時には、僕の相棒獣にも出てきてもらいます」

その場合には世話係りから外されて、どこか別の仕事を考えるのだろう。

副団長は本当にいい人であるらしい。その場しのぎの嘘を付けない人……なのだろう。おかげでリズは、頼り甲斐はあるけれど素直に安心も出来なくなった。

そこまでして自分を監視下に置きたいらしいジェドへ、もう最後の頼みをするかのような心境で、どうにか勇気を振り絞って声を掛ける。

「あの、団長様、すみません私、途中になってる書類作業とかもありますし――」

「コーマック、今すぐこいつと一緒に、別館の第三事務課に行って手続きをしてこい。荷物を移動したら、速やかに幼獣舎に案内して仕事内容を説明してやれ」

ああダメだこの人、はじめっから私の話し聞く気なしだ……!
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