平凡な私の獣騎士団もふもふライフ
リズはその指の方向を目で追って、幼獣舎の後ろから顔を覗かせている大人版白獣に気付いて「ひぇ」と細い声がもれた。

獣騎士の相棒獣は、遠目で見て感じていたよりも大きかった。同じ地面に立ったとしたら、成獣の背はリズの肩に軽く届くくらいには高いだろう。

「僕と『彼』が付いていますので」

そう言われて、リズは緊張しつつも開けられた戸から中へと入った。何かあっては大変だと、コーマックの方も少しピリッとした空気をまとって後に続く。

恐る恐る足を踏み入れた幼獣舎は、柔らかなチップが敷かれて柔らかな踏み心地だった。

木の屋根は高さがあって、壁は全体的に光や風が通るように柵状の隙間が作られている。そこには雨が降った際の、内窓の役割を果たすらしい物も見えた。

入口の壁際に詰め寄っていた幼獣達が、不意にざっとこちらを向いた。

特徴的な白い身体、バイオレッドの美しい色をした目。成獣と違って鼻も尻尾も短くて、短くて太い四肢のせいかミニマム感も強い。

くりくりの目元も丸みのある耳も、やっぱり怖さを一瞬忘れてしまうくらいに可愛い。というか、大人の白獣と違ってふわふわ度が半端ない……。

じーっと幼獣達は見ている。

おかげでリズは、踏み入って一メートルもしない距離で動けないでいた。
< 27 / 182 >

この作品をシェア

pagetop