平凡な私の獣騎士団もふもふライフ
コーマックがハンカチを差し出してきたので、有り難く思って受け取った。顔を拭っている間も、下で幼獣達がスカートをぽふぽふと前足で叩き、しきりに「みゃー」やら「みょー」やら「みゅー」やらと鳴いている。

「あの、すごい力で突進された感があるのですが……」

一通り顔の水分を拭ったところで、リズは意外と力のある幼獣達を見下ろした。

「もしや私は、『お呼びじゃないわっ』と洗礼を受けたのでしょうか……?」

「いえ、驚くことにすごく歓迎されています。ウチの団員以外では初めてですよ。ただ、その……なんというか、好奇心が旺盛な年頃でして」

なんだか言いづらそうに視線をそらしていく。

言葉を濁されたのが分かった。リズは足元が騒がしい中、嘘を付けないし嘘が下手な副団長、コーマックの横顔を見て察した。

「…………つまり私、出会い頭でこの子達に下認定された、と……?」

「…………そういうこと、になりますね……」

もしくは遊び相手とか、と、コーマックは一応フォローする。

そもそも自分は軍人ですらない。相棒騎士になる可能性は皆無だとすれば、幼獣達もそういう反応になってもおかしくはない――のかもしれないけれど。

リズとしては噛まれない安心感よりも、ちっとも収まりそうにない下の騒ぎように改たな不安を覚えた。これからの事を考えると、すごく心配である。

「…………あの、明日から一人で見なくちゃいけないんですか?」

うまくやっていける自信がまるでない。先程から、遊び相手が来たとでも言うかのように、足にふわふわアタックを続けている数頭だっている。

すると、コーマックが気遣うようにしてリズを見た。

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