平凡な私の獣騎士団もふもふライフ
「つか、幼獣が一発でリズちゃんを受け入れたのも不思議だったけどさ」

「女性団員がいたこともないのに、今度は最強の不良獣ときたか」

「獣騎士団はじまって以来じゃないか?」

「リズちゃんって、結構すごいもん持ってるタイプだったりするんかな。強運とか」

私が持っているのは、平凡とドジと不運なんですよ……。

リズは彼らの話し声を聞きながら、なんの素質も才能もない我が身を思った。すると黙っていたジェドが、机の乗せた足を不意に下ろしてこう言った。

「お前は、何を難しそうに考えているんだ? ただの教育係りだろう」

「団長様、ただの、と言われましても……」

他人事だと思って簡単に言っている感じがして、リズは容赦のない上司に泣きそうになりながらも、隣の大きな白獣へ指を向けた。

「この大きさ見てくださいよ、座っても私より随分高い位置に頭が」

「立派なことじゃないか。そもそも座ってお前よりも小さい相棒獣は、ここにはいないが?」

リズは返す言葉がなくなった。

素直な性格もあって、確かにそうかもと考えている様子の後ろ姿は華奢だ。女の子にも容赦がない、とコーマック達が彼女に同情の目を向けていた。

「教育係りというのは、簡単に言えば、ここでの暮らし方や人間との共同生活を教えて指導していく感じだ。兄妹や子育てみたいなものだろう」

残念ながらリズは一人っ子だし、勿論独身なのでそんな経験はない。

教育係りは一頭と一人で行われるものだ。この大きな野良戦闘獣を一人で教育するなんて、非軍人の自分に出来る気がしなかった。
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