平凡な私の獣騎士団もふもふライフ
その姿はかなり目立っていて、少し距離を開けて利用中の数人の獣騎士と相棒獣達が、なんとも言えない表情を浮かべて戸惑いを滲ませてもいた。

「リズちゃん、白獣相手に本気の説得をしてる……」

「少しずつ慣らしていけば分かってくれるから、っていうアドバイスしたいけど」

「必死すぎて声、すんごく掛けづらい……」

「魔力で繋がって意思疎通出来ているわけじゃないのに、なんか会話してる感がすごいわ……」

毎日の終業前、一頭用の白獣部屋で反省と対策を頑張っているリズが、獣に筆談で言い負かされているのを知らない彼らは、しみじみと話していた。

こうなったら実力行使だ。リズは、負けてなるもんかとカルロに向き合った。

「昨日も一昨日も出来なかった尻尾から、まずは、します!」

宣言して勝手に尻尾へ移動した。

大型級の白獣であるカルロの尻尾は、長い白い毛がふわふわとしていて抱き枕よりもデカい。ぺたっと地面についているそれは重量感があって、持ち上げてみれば優しい柔らかさと温もりに包まれる。

「はぁ、やっぱりすごいふかふか……」

一瞬、そのままほだされそうになった。

カルロがちょっと顔を顰めて、やや尻尾を動かせる。リズはハッとして、「待って待って!」と慌てて尻尾をぎゅっと抱き締めた。

「ちゃんとするから。お願いだから大人しくしていて」

ふわふわの毛は、尻尾が一番ボリュームがあって魅力的なのだ。教育係り初日から今日まで、ほとんど手入れ出来ていないのはとても心苦しい。
< 68 / 182 >

この作品をシェア

pagetop