平凡な私の獣騎士団もふもふライフ
そんな鼻息が聞こえたかと思ったら、ふわったわになった尻尾が、柔らかくリズの身体にぽふっと当てられた。

すごく気持ちいい。めっちゃふわふわ……。

カルロ相手なのでこらえなきゃと思っていたものの、気付けばペタリと座り込んで顔を押し当てていた。

「ふふっ、すごく嬉しい。幸せな感触もするわ」

リズは思わず、無垢な少女の笑みを浮かべてしまった。とても心地良くて、きゅっと両手でしがみついて引き寄せたところで、ハタとして力を抜いた。

「うわっ、ごめんなさい」

慌てて離れた。いつの間に離していたのか、すぐそこに落ちていたブラッシング道具を拾い上げる。

もう一度謝ろうと思って、リズはカルロの頭の方へパタパタと移動した。その顔を覗き込んで、見つめ返された顰め面に「あれ?」と首を傾げる。

「怒ってないの……?」

「ふん」

「もしかして、気持ち良かった、とか……?」

尋ねてみたら、カルロがぷいっと顔をそむけた。けれど目を戻してきたかと思うと、呼ぶようにして顎を動かし、この前から教え続けていたように自ら首を伸ばして、一番目のブラッシングのポーズを取った。

「やっていいの? そこ、触らせたくなかったみたいだけど」

カルロは、しれっと目を前に戻したものの、引き続きポーズを維持している。

これは、もしかしたら食事に続いて大きな第一歩だ。リズは気を引き締めて「任せて!」と答え、早速作業に取り掛かった。
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