平凡な私の獣騎士団もふもふライフ
そうして相棒獣なしの身となってから、早七年が過ぎようとしていた。

グレイソク伯爵家の人間は、全ての白獣を従わせられる。けれどジェドは、必要のある短い時間の他は、出来るだけ他の白獣の手を借りなかった。

白獣は、希少種の魔力保有生物だ。グレインベルトの一部にしか生息域を持っておらず、それでいて繊細な種ゆえに極端に寿命も変化し、頭数はあまり多くない。

そのため希少性もあって金になる。生体や食肉目的、宝石みたいな瞳も魔力が宿っているために腐敗なくコレクション出来るとして(・・・・・・・・・・・・・・・・)、かなり高額で売買さる。

成体となれば凶暴で手が付けられないが、幼獣であれば野犬よりも容易く襲えるので狙う人間も多かった。それらから守るのも獣騎士団の役目だった。

『違法密猟グループが複数、この土地に入っている』

春先、そう協力関係にある周囲の土地から報告を受けた。それからというもの山への巡回数も増やし、毎日ジェド達は警戒して対応にあたっていた。

そうして、ジェドはその獣に会った。

どれだけ長い間、深く山奥に隠れていたのだろうか。

それは、そう思わせるほど大きな白獣だった。密猟グループの侵入で騒がしくなったせいか、それとも幼獣を傷付けられるのを嫌う性質から出てきたのか――。

その白獣の後ろには、既に始末された(・・・・・)違法狩猟団と思わしき人間の躯が転がっていた。八つ裂きにされ食い殺された、ひどい死にざまだった。

本来の白獣というのは、こうなのだ。

決して獣騎士以外には懐かず、警戒も解かない。それはこの地に古くからある、グレイソン伯爵家と、当時の獣戦士達の誓いと約束があるから、とされている。

――我が一族と獣戦士は、白獣と共に。
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