平凡な私の獣騎士団もふもふライフ
「――ならば来い」
だから、ジェドはその白獣にそう告げた。
「この地の領主、グレイソン伯爵として。そして王国軍第二十四支部、獣騎士部隊団の団長として、俺はお前を迎え入れよう」
獣は拒絶を示さなかった。
そうしてジェドは、部下達と共に『彼』を連れ帰った。
しかし、ようやく見付けた相棒獣候補は、かなりの暴れ獣だった。やたら強気で指示行動に従う姿勢を見せず、同じ白獣として宥めようとした相棒獣達を威嚇し、警告もなく吹き飛ばしたうえ、力を見せつけて怯えさせる始末だった。
人間・協力・規律・社会……野良暮らしでよく知らないでいる白獣のためにも、まずは早急に教育係りを決めなければならなかった。
全獣騎士達が集まれるもっと広いところへ、移動させる必要があった。
けれどその白獣は、そんな細かい指示まで聞く義理はない、と言わんばかりに反抗的だった。どうにか途中までは進められたものの、環境の変化のストレスもあったのか暴れ出し、近付く獣騎士や白獣達にまで牙を剥き始め――。
その時、ジェドは、向こうにリズがいるのに気付いた。
こんな騒ぎの最中だというのに、水場の方に立っている彼女の存在に、どうしてか目が吸い寄せられた。
華奢な後ろ姿。無頓着にやや長めに伸ばされた、春みたいな色をしたふんわりとした髪。それが温かな日差しに照らされて、淡く揺れているのが見えた。
その時、不意に暴れていた白獣が動きを止めた。
そのまま、ふっと振り返った獣がリズを目に留めた。彼女も向こうから振り返ってきて、双方の目がパチリと合ったのが分かった。
だから、ジェドはその白獣にそう告げた。
「この地の領主、グレイソン伯爵として。そして王国軍第二十四支部、獣騎士部隊団の団長として、俺はお前を迎え入れよう」
獣は拒絶を示さなかった。
そうしてジェドは、部下達と共に『彼』を連れ帰った。
しかし、ようやく見付けた相棒獣候補は、かなりの暴れ獣だった。やたら強気で指示行動に従う姿勢を見せず、同じ白獣として宥めようとした相棒獣達を威嚇し、警告もなく吹き飛ばしたうえ、力を見せつけて怯えさせる始末だった。
人間・協力・規律・社会……野良暮らしでよく知らないでいる白獣のためにも、まずは早急に教育係りを決めなければならなかった。
全獣騎士達が集まれるもっと広いところへ、移動させる必要があった。
けれどその白獣は、そんな細かい指示まで聞く義理はない、と言わんばかりに反抗的だった。どうにか途中までは進められたものの、環境の変化のストレスもあったのか暴れ出し、近付く獣騎士や白獣達にまで牙を剥き始め――。
その時、ジェドは、向こうにリズがいるのに気付いた。
こんな騒ぎの最中だというのに、水場の方に立っている彼女の存在に、どうしてか目が吸い寄せられた。
華奢な後ろ姿。無頓着にやや長めに伸ばされた、春みたいな色をしたふんわりとした髪。それが温かな日差しに照らされて、淡く揺れているのが見えた。
その時、不意に暴れていた白獣が動きを止めた。
そのまま、ふっと振り返った獣がリズを目に留めた。彼女も向こうから振り返ってきて、双方の目がパチリと合ったのが分かった。