平凡な私の獣騎士団もふもふライフ
直後、手の甲を彼がぺろりと舐めた。まるで騎士か貴族紳士が挨拶のキスをするみたいに、自然な仕草で舌を這わせてきた。

生温かさにびっくりしたリズは、かぁっと赤面して手を取り戻した。

「な、ななな何をしているんですかッ」

「幼獣達だって舐めていただろう」

真顔で言い返すジェドの手は、もう一度寄越せ、と差し出されて伝えている。

「それと同じだ、なんか面白くなかったから俺もやった」

「同じじゃないですよ何をおっしゃっているんですか!」

思わずリズは一呼吸で言いきる。

「リズ。いいから、手を寄越せ」

「ひぇっ、なんでですか嫌ですよ!?」

自然な感じで名前を呼ばれて、リズは更に警戒心が煽られた。要求されている理由は分かっているので、ますます手を庇って後ずさりした。

「なんで舐められなきゃならないのか分かりませんっ」

「俺もよく分からんが、舐めた感じは悪くない。それに真っ赤になっているお前を見ていると、またやりたくなった」

「意地悪な理由で続行したいんですか!?」

信じらんない、この上司ほんと鬼だ……!

そう思っていたら、座り込んでいた腰を抱き寄せられた。手を引かれて「あっ」と声が出た時には、彼の口許に掌を押し付けられてしまっていた。

「幼獣達の気持ちが少し分かるな。どちらで触っても心地がいい」

ぺろりと彼が掌を舐める。指の間にも舌を這わせて、指先をちゅっと吸い、手の甲に再び舌先を滑らせてちゅくりと口付ける。

押し付けられた身体が熱い。
< 92 / 182 >

この作品をシェア

pagetop