平凡な私の獣騎士団もふもふライフ
一体何がどうなっているのか、リズはドキドキしすぎて頭がぐらぐらしてきた。目の前にいるのは獣騎士なのに、仕草が獣みたいに感じてしまうのは何故だろう?

「お、おふざけにしても度がすぎます」

「初心だな――獣のスキンシップと同じだろう?」

「何度も言いますがきっと違いますし、団長様もう離してくださいぃ」

後半、もういっぱいになって涙声になった。

するとジェドが、少し舌先を出したまま止まった。大きな目で不思議そうに見つめている幼獣達の視線の中、しばしじっとしていた。

「分かった。もうしない」

そう言うと、あっさり手を離してくれた。

いつの間にかスカートを踏むくらい近くにいた彼が、立ち上がって手を差し出してきた。エスコートに習慣がないリズは、潤んだ目で疑問いっぱいに見上げてしまう。

「なんですか? もうしないんじゃ……?」

「そんなに怯えるな。ただ手を取って立ち上がらせるだけだ」

「あの、一人で立てますけど――」

「地べたに座っている女を、放って一人で立たせる紳士がいるか」

ああ、そういうところは『貴族』で『騎士』様なんだなぁ……。

鬼上司なのに不思議だ、とリズはおずおずと手を伸ばす。大きな彼の掌に指を添えたら、言われた通り彼が優しく立ち上がらせてくれた。
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