平凡な私の獣騎士団もふもふライフ
「そうだ、それでいい」

なんだか満足げにジェドがニヤリとする。

いつもの涼しげで平気な顔だった。彼にとっては、先程のことも貴族が手に挨拶で唇を付けるようなスキンシップの延長戦、みたいな感じなのだろう。

つまりは本当に幼獣達を真似ただけ……?

あれ。でも、そもそもなんで『面白くない』と言ったのだろうか。

リズが今更のように思い出して首を捻っていると、珍しく大人しくしていたカルロが、だめだこりゃ、と言わんばかりに鼻から小さく息を吐いて立ち上がった。

カルロにぐいぐいと背中を押されて、リズは「あ」と気付いた。

下を見れば、目が合ったチビ白獣達がパァッと表情を明るくした。短目のふわふわとした尻尾を振って、期待を込めた眼差しで口許をぺろりとする。

彼らはお腹が空いているのだ。

そういえば再会を喜び合っていて、まだ本日一回目の世話はこれからだった。こちらが終わったら、次はカルロの方の予定が待っている。

「団長様、少し急ぎますのでご退出ください」

リズは使命感のもと、鬼上司であるのも忘れてビシリと戸へ指を向けた。

それを見たジェドが、少し機嫌を少し損ねた様子でチラリと眉を寄せる。
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