平凡な私の獣騎士団もふもふライフ
非力な娘が大型級の獣の力に敵うはずもなく、踏ん張っている足は、匂いを嗅ぎながら進むカルロにゆっくりずつ引きずられている。

自分の覚えさせ方が悪いのか、それともまだ一週間と数日であるせいか。それとも野生暮らしが長く、自由気ままで気分屋なカルロ自身の性格のせいだろうか?

敷地内のどこに何があるのかは覚えてもらえたようだが、散歩だけはまだ駄目だった。

おかげで相手は戦闘獣であるのに、散歩紐を毎度必死になって引っ張らねばならなくなっているリズは、大きすぎる犬を連れているみたいになっている。

「そっち側は一般の別館だから、ほんと駄目なのっ!」

カルロの進行方向には、本館側と別館側を隔てる壁があった。

向こうは、獣騎士以外の勤め人達がいるところだ。相棒獣となっても、距離が近ければ本能的に『拒絶』の反応をしてしまうとは聞かされている。

まだジェドを相棒騎士と認定しておらず、きちんとした相棒獣にもなっていないカルロに関しては、何があったとしても、絶対に行かせては駄目だ。

もし、今、別館側から職員が出てきたら、バクリとイかれてしまう。

リズは想像して「ひぇぇ」とか細い声をもらした。どうにかしてカルロを、ここから引き離して元の散歩コースに戻さなければならない。
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