お見合い夫婦のかりそめ婚姻遊戯~敏腕弁護士は愛しい妻を離さない~
「契約結婚ってどういうこと? 漫画なんかでよくあるあれ?」
「ちょ、ちょっと綾さん落ち着いて」
「ちゃんと説明してよ!」
興奮した綾さんが、ドン!とテーブルを叩いた。気まずい雰囲気が流れる。思わずうつむく私に、綾さんは「……大きな声出してごめん。でもちゃんとわかるように話して」と冷静な声で言った。
「……わかりました」
覚悟を決めて綾さんの方を向く。私は、ゆっくりと話し始めた。
「拓海からプロポーズされたとき、私、綾さんに相談しましたよね?」
「もちろん、ちゃんと覚えてるわよ」
「実は、そのとき、拓海から契約結婚をしないかって持ちかけられたんです」
おじさまに二度までも騙されて拓海とお見合いをしたあの日、私は彼からにせのプロポーズをされた。
「拓海は、望んでいない相手との婚約から逃れるため。私は、おじさまのお見合い攻撃から離脱するため。お互い利害の一致を見て、結婚をすることを決めました」
「ちょっと待って。それじゃあ相馬さんは最初から契約結婚をするつもりで夏美ちゃんに近づいたってこと?」
「……さあ。そこまでは、私にはわかりません」