好きなんだから仕方ない。
他人の生死より自分の生死を気にするのなんて当たり前の話だろう。でも、でも俺はエイミアが生きていればそれで良い。エイミアに生きていてほしいだけなんだ。

「早かったな・・・。心配しなくても私はもう死ぬ。使いももういない。神の住み処へ戻って構わん」

「先に彼女の契約を解け。お前なんだろう?」

「それは無理だ。私から強制的にした契約は刻印を持った者が止めを刺さなければ解けぬようになっている。私はただ、彼女と共に死にたいだけだ」

彼女の指示通りに向かい、着いた先は魔界の王がいる部屋だった。黄昏ている王が俺たちの命を心配し、彼女の死を望んでいる。
ふざけるな。指先を動かす事がやっとであるエイミアにどうやって止めを刺させるんだよ。魔界に置いていくしかないと言っているようなもんじゃないか。これから神になるという者が七人もいるのに誰一人、たった一人の女の子も守れないと言うのかよ。
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