好きなんだから仕方ない。
こんな、妖精のような見た目や大きさをしているのに神の使い以上に与えられるような立派な翼を持っているなんて。それに違和感を感じないなんて。もしかして彼女は神なのか?

「えっと・・・、はい」

「はい」

訳が分からないね。そんな楽しそうな声が聞こえてきそうな笑顔に俺も嬉しくなって笑い返した時だった。俺の背中から彼女には劣るけれど立派な翼が生えたのは。
本当に一瞬、彼女のそばにいたい。ずっといるんだろうなって確信しただけなのに。
何が起きたのか分からず混乱している俺に神の使いに選ばれたのかもと説明してくれた彼女は自分で飛んで手招きをすると新しく作った違う道に入っていった。
彼女が行くなら付いていくしかない。単純にそう思った俺は後を追うようにその道へ足を踏み入れた。
< 165 / 260 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop