好きなんだから仕方ない。
この時間だからこう、その時間だからそう。一瞬一瞬に重きを置きすぎだ。好きになったからと言ってすぐに愛の告白をしては相手も断るだろう。当たり前だ。たまたますれ違ったようなよく知らない相手に愛していると言われても気持ち悪いと思う者の方が多いんだからな。

「・・・うん、問題無し。翼が再生するような予兆も無いね」

「記録してるの?」

「どれだけ経っても何がどう役に立つのか分からないからね。ほら、神になる前もあっただろう?あの時どうしたっけーって思い出せなかった事」

「あったねぇ。ありがとう」

「良いんだ。エミィは何かしてあげたくさせる力があるんだろうね。好意には甘えておきなさい」

温かい紅茶をくれたメルシオ様に頭を撫でられながら不思議そうな表情をエミィ様は浮かべていた。それもそうか。自分の出している雰囲気や空気って自分では分からないもんな。
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