好きなんだから仕方ない。
孤独など負の感情が魔力の源となっている。パドの話だとそういう事だった。私は強くなりたい訳じゃない。パドたちが襲撃しに来た時だってどうして魔力を使えたのか分かっていない。今までも使えた事なんて無かったし、あれからも使えた事は無かった。
「そうですか。生まれ故郷に」
「はい。あの時はお世話になりました。ありがとうございました」
「いえ!そんな!顔を上げてください!・・・もうこの国へは来られないのですか?」
次の日の朝に宿屋の主人に頭を下げ、挨拶をした。主人は名残惜しそうに奥歯を噛んで宿泊費を受け取った。
これで本当にこの国とお別れなんだ。寂しいよ。だってこの国にはクロエラたちと笑い合い、思い合った過去がたくさん詰まっているから。でも、皆は私ではなく国を選んだ。
違う。私が選ばせたんだ。本人の口から残るという言葉を聞きたくなくて手紙だけを置いてきた。お別れの言葉を聞かなくて済むように。
「そうですか。生まれ故郷に」
「はい。あの時はお世話になりました。ありがとうございました」
「いえ!そんな!顔を上げてください!・・・もうこの国へは来られないのですか?」
次の日の朝に宿屋の主人に頭を下げ、挨拶をした。主人は名残惜しそうに奥歯を噛んで宿泊費を受け取った。
これで本当にこの国とお別れなんだ。寂しいよ。だってこの国にはクロエラたちと笑い合い、思い合った過去がたくさん詰まっているから。でも、皆は私ではなく国を選んだ。
違う。私が選ばせたんだ。本人の口から残るという言葉を聞きたくなくて手紙だけを置いてきた。お別れの言葉を聞かなくて済むように。