今夜、あなたに復讐します
 指月はまだまだだと言っていたのだが、それでも、ちょっと嬉しい、と思ったとき、扉が開いた。

 さっきの男が立っていた。

「……何度も言うようだが、うちの警備はどうなってるんだ」
と有生が呟く。

 男はツカツカ有生の前に来て言った。

「あんたに教わった男のところに行ってきた。
 あの男で間違いなかった」

「やっぱりか……」
と困った友人に、有生は苦い顔をする。

「だけど、ずっとあんたを殺そうと思って付け狙ってたんで。
 本人を目の前にしても、なんの感慨もなく」

 そうかもしれませんね……。

「口頭で文句を言ったら、口頭ですみませんと返されて、

 ……話は終わった」

「そうか。
 まあ、ケモノじゃないんだからな、口で揉めたらすむことだったろうが。

 気がすんだら帰れ」
と有生は言うが、

「……あんたを殺《や》ろうと思って、この一年生きてきたんで、なんか目標を見失って」
と男は困ったように有生を見て言う。

「お前も自分探しにハワイにでも行ってきたらどうだ」
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