今夜、あなたに復讐します
 今も新たな子羊が、有生に認められようといろいろと考えているようだったが。

 夏菜の見たところ、人殺しにもスパイにも向いてない感じだ。

 ナイフを持ったときの構えがなってないし、足腰の鍛え方もいまいちだ。

 第一、こんな簡単に敵に丸め込まれるようでは。

 いや、私も丸め込まれている気もするが……。

 考えあぐねて、
「特技です」
と手品でも披露してきそうな雰囲気になったとき、男は夏菜を見て言い出した。

「そうだ。
 この人も殺しに来て雇われた人ですよね?

 どのようなところが優れているのですか?」

 先程までの態度とは打って変わり、希望する会社にいる大学の先輩に話を訊きに来た、みたいになっている。

「……それは」
と有生は珍しく口ごもった。
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