今夜、あなたに復讐します
 


「では、今日も一日、お世話になりました」
と夏菜は有生に頭を下げながら、チラ、と有生を窺う。

 本格的に雇われている上林や黒木と違い、ほんとうに気まぐれで雇われてるだけなので、明日も来て大丈夫なのかな? と思ってしまうのだ。

 有生は顔も上げずに、
「お疲れ。
 早く帰って寝ろ。

 明日はちょっと早めに来い。
 俺が早くに出張に出るから」
と言ってくる。

「はい、社長が出られるまでになにかお仕事があるんですね?」
と明日の仕事の流れを頭に入れておくために確認すると、有生は何故か一瞬、つまる。

「そうだな。
 指月について、俺が出張時の秘書室の対応について学べ」

「はい」

 では、失礼します、と夏菜は頭を下げて出ようとした。

 入れ替わりに指月が入ってきたので、
「失礼します」
と指月にも深々と頭を下げて去る。



< 68 / 432 >

この作品をシェア

pagetop