蜜月身ごもり婚~クールな旦那様のとろ甘な愛に溺れそうです~【華麗なる結婚シリーズ】

あの日以来、蓮人兄さまは明らかに変わった。極力私との時間を持とうとしてくれているし、口数はそれほど多くはないが、気をつかってくれているのが解る。

「でもなに?」
美沙子は私の言葉を待つように、声を掛けてくれる。
「責任での結婚も、優しさも複雑で」
「まあ、そうよね」
美沙子は気を取り直したようにフォークを手にすると、パスタを食べ始めた。

「でも、二人とも大人じゃない。たかが一回寝たぐらいで責任なんて重くない?」
お嬢様とは思えない口調に、私は苦笑しつつため息をつく。

「赤ちゃん、出来てるかもしれないからって」
ぼそっと言った私の三倍はありそうな声量で美沙子が声を上げる。
「え? 避妊しなかったの?」
そして美沙子は慌てて自分の手で口を覆った。

「だから無理やり迫ったのよ」
「……そう」
それ以上美沙子も言えないようで、言葉を止めた。

「まあ、そんなに簡単にできないわよ」
私の気を軽くするように言った美沙子の言葉に、私は食べる手を止めた。
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