蜜月身ごもり婚~クールな旦那様のとろ甘な愛に溺れそうです~【華麗なる結婚シリーズ】
買い物を終え、駐車場へと向かいながら歩いているとドラッグストアが目に入り、私は先ほどの美沙子との会話を思い出す。

「どうした? 何か買うのか?」
ジッとドラッグストアを見つめてしまったようで、蓮人兄さまが私に声を掛けた。

「あっ、いえ」
まさか妊娠検査薬などと口が裂けても言えず、私はブンブンと首を振って見せる。
女子高生でもあるまいしと言われそうだが、それを一人で買うことも私にとって少しハードルが高い。
「鏡花、何を思ったかきちんといえ」
昔から知られているせいか、私の態度から何かを思ったようで、鋭い視線を向けられ私はウッっと言葉に詰まってしまう。

「鏡花」
「あの……。その。検査を」
言葉を濁した私に、蓮人兄さまはいぶかし気な表情を浮かべる。

「検査ってなんの……」
そこまで言って自分で思い当たったのだろう、これでもかというほど、ハッとした表情を蓮人兄さまはした。

「まさか……」
呟くように声が聞こえたと思った時には、もうそこに蓮人兄さまの姿はなかった。
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