蜜月身ごもり婚~クールな旦那様のとろ甘な愛に溺れそうです~【華麗なる結婚シリーズ】
「謝れと言っていない。理由を聞いている」
静かに問われるも、私は緊張から支離滅裂な言葉が零れ落ちる。
「どういう話もしてません。お母さんから、とりあえず真翔君か、蓮人兄さまと結婚しろと言われ、蓮人兄さまと話をすると家を出たんです。それで鍵を見て勝手に誤解を……」
しばしの沈黙のあと、かなり大きなため息を付いた。
「真知子さんらしいな」
真知子というのは私のお母さんの名前だ。諦めに似た声が聞こえて、私は泣きたくなる。
「すぐに荷物を持ってお暇します。ただ私はお話がしたかっただけなので」
そう言って立ち上がろうとした私を、蓮人兄さまの声が制止する。
「そういえば昼間俺と結婚するって言ってたな」
「あっ……。あの。それは」
どうしてあんな言葉を言ってしまったのか、自分でもまったくわからない。
心の底でそんな願望があったのだろうか?そんなことを思うも、言えるはずなく言い淀む。
「真翔の邪魔はできないってことか?」
それもあるが、私は……。
本音などもちろん言えるわけなく、私は頭を下げたまま黙っていた。