嘘恋~キスから始まる君との恋~
「しゃあないな」
「よっしゃきた!」
「その先輩、名前は?」
「菅田蒼宙、2年2組」
菅田先輩ね。なるほど。
「分かったよ、今日の昼休み2年生の教室行ってくる」
「マジ!ありがとう!」
その日の昼休み。2年2組の教室へ向かう。
やばい…居心地悪過ぎる。
同級生でも、美香無しじゃ必要最低限しか話さないのに。顔知らないってことは、ドア付近にいる生徒に、菅田先輩呼んでくださいって言わなきゃじゃん。
まさか、菅田先輩ー!なんて叫ぶわけにもいかないし。
ただ、運良く優しそうな女子生徒がいたため、声をかけてみる。
「あっ…あのー」
「どうしたの?」
「菅田先輩いますか?」
「菅田?あー、うん。いるよ。菅田ー!後輩ちゃん呼んでるー!」
あまり目立たせないでー!
一気に注目を浴び、顔が熱くなる。
その菅田先輩とやらが、軽い足取りでやってくる。
「呼んだ?」
ポケットに手を入れて、ドアに寄りかかる。
黒髪なんだけど、ゆるふわパーマなくせ毛がどことなく遊んでそうな感じの雰囲気。
「ん?俺じゃなくて?菅田って俺しかいないけど」
「…ちょっといいですか、外で話聞いてもらっても」
「ふーん、いいよ」
告白?え、後輩から告白?とかヒソヒソ言われてるの聞こえてるからね!違うからね!