わたしにしか見えない君に、恋をした。
「隠そうとすんなって」
「いやだし!!ていうか、思ってもないこと言ってからかわないでよね!!」
「からかってないし」
「まったくもう……変なこと言うのやめてよ」
金山先輩に同じことを言われても動揺しない自信がある。
だけど、湊に言われるとダメ。それはきっと湊を意識している証だ。
唇を尖らせてボソボソ独り言のように呟くと、湊があたしの手首を離した。
スッと湊の温もりが消え心の中がざわつく。
「って、んなことを幽霊に言われても気味悪いか」
「え……?」
「つーか、俺何してんだろうな。もし幽霊じゃなかったらストーカーもいいとこだ」
湊は大きなため息をつくと、髪をくしゃくしゃといじった。
「ストーカーって?」
「いや、なんでもない」
湊はそういうと、おでこに手のひらを当ててしばらく何かを思い悩んでいた。
あたしはその様子を首を傾げて眺めていた。
カフェを出ると外はすでに暗くなっていた。
「そろそろ帰るか?」
そのとき、ふとあることを思い出したあたしは湊に笑いかけた。
「ちょっとだけ寄っていきたいところがあるんだけどいい?」
「あぁ」
あたしは湊をつれて近くのゲーセンにやってきた。