その瞳に涙 ― 冷たい上司の甘い恋人 ―
◇
「こちらの支社との共同プロジェクトのリーダーを任された、本社の大森です。短い期間ですが、よろしくお願いします」
始業前。企画部長に紹介されて潑剌と頭を下げる大森くんに、同僚たちからの拍手が起こる。
私も社交辞令的に軽く拍手をしながら、同期の彼のテンションの高さに苦笑いした。
久々に見るけど、相変わらずだな。
最後に会ったのは入社3年目のときだったか。
その頃のフレッシュな感じはもうないし、見た目だって年相応になっているけど、醸し出す雰囲気は新入社員のときとあまり変わらない。
全体に挨拶をしたあと、企画部長がプロジェクトチームのメンバーを呼び集める。
広沢くんと前後して年齢の近い若手の社員たちが数名、大森くんと一緒に部署内へのミーティングルームへと移動していく。
デスクで仕事をしながらそれをぼんやりと眺めていたら、ふと振り向いた大森くんと目が合った。