その瞳に涙 ― 冷たい上司の甘い恋人 ―





「それでさ、これが式場の写真」

赤ワインのグラスをテーブルに置いた大森くんが、上機嫌で私にスマホを見せてくる。

それは、全面ステンドグラスに囲まれたどこかのチャペルの写真だった。


「へぇ、素敵ね」

大森くんの言動はともかく、見せられたその写真の場所は綺麗だったから、率直にそう感想を述べる。

「だろ?」

すると、満面の笑みを浮かべた大森くんが、スマホをさらに私のほうへと突き付けてきた。


「ちょうど式場見に行った日が、すごく天気がよくてさー。天井の窓から太陽の光がこう、ばーっと差し込んでて、明るくてめちゃくちゃ雰囲気が良くて。俺も彼女も即決」

「そう」

「あ、そうだ。これも見てよ」

スマホを自分のほうに引き戻した大森くんが、画面を何度かスクロールして、また私のほうに押し付けてくる。

引き腰になりながら、彼のスマホを見ると、そこにはウエディングドレスを着た彼の婚約者が写っていた。

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