その瞳に涙 ― 冷たい上司の甘い恋人 ―
「その靴のセンス、新しいわね」
思わずクスッと笑ったら、左右で違う足元に気が付いた広沢くんの顔が赤くなる。
「れーこさんが下にいるって言うし。焦ってそれどころじゃなかったから」
「いいんじゃない?かっこよくて」
なんでも卒なくこなす普段の広沢くんとのギャップがおかしくて、こみ上げてくる笑いが治らない。
チグハグな広沢くんの足元を見ていつまでもクスクス笑っていると、彼が私の両肩に手を載せて、抱きしめてくれていた身体をぐっと突き放した。
「れーこさん、俺のことからかいに来たんですか?」
眉間に力を入れた広沢くんが、ムッとした顔で私を見下ろす。
その表情はとても不服そうだったけど、そんな反応も今はとても愛おしく思えた。
広沢くんを見つめる目を細めると、彼が不意に困ったように視線を逸らす。
「そんな、今さらちょっと優しい顔したってダメですから。俺、昨日の夜のことで、ほんとはれーこさんに結構ムカついてるんです」
「うん」