その瞳に涙 ― 冷たい上司の甘い恋人 ―
「大丈夫。新城さん、広沢くんには話しとくから、1時間後に出かけられるように準備しといてね」
「はい」
「確氷さん!」
元気よく返事をする新城さんを横目に睨みながら、秦野さんが不服そうに私を呼ぶ。
そんな彼女にちらっと視線を投げてから、秦野さんの向かいにいる秋元くんに声をかけた。
「秋元くん。もし今ちょっとだけ時間取れそうだったら、新城さんに取引先に行ったときの流れを簡単に教えといてあげてくれる?広沢くんは、桐谷くんのこと見ててすぐには対応できないだろうから」
私たちの会話に聞き耳を立てながら仕事をしている様子だった秋元くんが、私の言葉にパッと反応する。
「わかりました。確氷さん。新城さん、わからないことがあったらなんでも聞いてね」
「ありがとうございます」
秋元くんが嬉しそうに新城さんに声をかけると、彼女もキラキラとした笑顔を返す。
それを見た秦野さんは、ますます不服そうだった。