可愛らしさの欠片もない
マスカラを塗り直している。余裕だ。
「急にそういうのがあるってことは、運命が動いてるってことよ。あ、変な占いとかじゃなくて。そう思って行動に出てみなさいって、きっかけにする一つの考え方?。だって、何もしなきゃそれまでだけど、何かすれば何か起きるかもしれない。ハハ、何か何かばっかりだけど。自分でラッキーだって思ってるんでしょ?だったら、そのラッキーは逃しちゃダメよ」
なるほど。んー。なるほどね。そう言われると凄く納得できる。その気になってしまう。
「……そう…ですよね…」
運命が動き出したというのなら、きっかけは相手任せにばかりしていてはことは動かないってことだ。今までいつもそうだ。今回だってこのままだと期待だけして結局見てるだけで終ってしまうだろう。
「何かする勇気はないですけど…そんなことばかりでは進展はないって思うと、何かしらしてみたくなりました。あ、私も何かばっかりになりました」
進展というより、逃してしまう、ということ。それを思ったらドスンと焦りのようなものを感じた。…行動しなくちゃ駄目だ。
「ハハ……まあいいじゃない?まだそういうことに向かえる年齢だってだけでも。想像だけでもわくわくするわね。羨ましい」
「あ、いや…」
年齢の話はふられても避けたい。どう返したら失敗がないのかとても慎重になる。先輩だって、年齢とか言ってないでわくわくしたらいいのに。
「結果を気にしたって……どうなるかなんて誰にも解らないんだから。もっと知りたいとか、…諦めきれないくらいときめいてるなら、頑張ってみるのもいいものよ?どうなの?無責任な言葉だけどね。…駄目だったら、元々、縁がなかった人だと思えばいいのよ」