可愛らしさの欠片もない
「未練がましく思ってたって、それはそれでしょ?どんなに思ってても叶わないものは叶わないの。思ってることくらいは許してほしい。駄目って言われても心は隠せる、…覗けないでしょ?」
…。
「昨日の割り勘、大島さんに聞いて渡してね。約束通り、沢山飲んどいたから。…お陰で今日は頭が痛いの。私の分の仕事回すから、しっかりしてもらわないと困るの、いい?」
「…はい」
返事しかできない…話の持って行き方も上手いな…。強く否定して別の話で終わらせる。とても建設的…。あとを引かない。
「誤解しないでよ?私はいい人じゃない。祝福してるとか、引いてるわけじゃない。隙あらば狙ってる。それは咲来さんだからじゃない。昔からよ。昔から、甲斐に隙ができるのを狙ってるんだから」
甲斐さんの…隙…なんだろう。
「…はい」
「はいって……。はぁ、…もう、ぶっちゃけるとね、昨夜、連絡が来たの、甲斐から。驚いた。どんだけぶりって感じよね。それだけ連絡して来なかったくせに。余程のことだったのね。『いい加減にしろ』って。こんなこと言われたの初めてよ。私の気持ちは知ってるから。思ってるってだけでももう止めろってことなのよ。迷惑だって言いたいのよ。取り敢えずは『はいはい』って、返しておいたわ。ね、悲しいくらい友人でしょ?
そういう関わり方ってね、もう変わらないものなの。私に対する甲斐の気持ちは変わらないわ」
あ。……。