嫁入り前夜、カタブツ御曹司は溺甘に豹変する
「こういうのは男の人に任せておけばいいのよ。心配するより、おだてた方がよっぽどいいわ」
弥生さんは私にこそっと耳打ちをする。
それから、「和志さんカッコいいわぁ~」と拍手をすると、社長はまんざらでもない顔を浮かべた。
弥生さん、おっとりしているようで社長を手のひらで転がしているんじゃ……。
何気ない日常の一コマ。それがとても温かい。
みんなに手伝ってもらって荷物をすべて運び出し、揃って母屋のリビングに入った頃には十時を回っていた。
起きたのは六時くらいだったのに。時間が過ぎるのが早くて驚く。
「ふたりともご飯は?」
弥生さんに首を振る。
「まだです」
「今日は話もあったし、簡単に済まそうと思って、エッグベネディクトにしたの。すぐ用意するから待っててね」
「エッグ、べ、ベネ?」
片言で繰り返す私の隣に座る仁くんが、堪えきれないといった様子で肩を揺らした。
優しい笑い方をするなぁ。
ぽーっと見惚れる。すると仁くんの腕が伸びてきて、頭にポンッと手のひらがのった。優しく撫でられて、血が顔に集まる。
ご両親の前なのに!
仁くんは恥ずかしくないのかな。正面では恵比須顔した社長が私たちの様子を見守っている。
「おはよう~」
居た堪れない空気を変えたのは、あちこちに髪の毛先を跳ねさせた杏ちゃんだった。
どうやって寝たらそこまで寝癖がつくのだろう。
弥生さんは私にこそっと耳打ちをする。
それから、「和志さんカッコいいわぁ~」と拍手をすると、社長はまんざらでもない顔を浮かべた。
弥生さん、おっとりしているようで社長を手のひらで転がしているんじゃ……。
何気ない日常の一コマ。それがとても温かい。
みんなに手伝ってもらって荷物をすべて運び出し、揃って母屋のリビングに入った頃には十時を回っていた。
起きたのは六時くらいだったのに。時間が過ぎるのが早くて驚く。
「ふたりともご飯は?」
弥生さんに首を振る。
「まだです」
「今日は話もあったし、簡単に済まそうと思って、エッグベネディクトにしたの。すぐ用意するから待っててね」
「エッグ、べ、ベネ?」
片言で繰り返す私の隣に座る仁くんが、堪えきれないといった様子で肩を揺らした。
優しい笑い方をするなぁ。
ぽーっと見惚れる。すると仁くんの腕が伸びてきて、頭にポンッと手のひらがのった。優しく撫でられて、血が顔に集まる。
ご両親の前なのに!
仁くんは恥ずかしくないのかな。正面では恵比須顔した社長が私たちの様子を見守っている。
「おはよう~」
居た堪れない空気を変えたのは、あちこちに髪の毛先を跳ねさせた杏ちゃんだった。
どうやって寝たらそこまで寝癖がつくのだろう。