嫁入り前夜、カタブツ御曹司は溺甘に豹変する
「花帆はこのまま出掛けられる?」
「この恰好でいいなら」
手持ちの服の中で一番女の子らしい白のワンピースを選んだ。ウエストにギャザーが寄っていて、コルセットベルトをしているようなシルエットがお嬢様っぽい雰囲気を醸し出している。
「うん、いいか」
仁くんはひとりで納得してソファから立ち上がる。
「どこに行くの?」
「フローリデホテル。部屋で食事ができるように手配した」
「あそこって何か月も予約待ちって聞くよ?」
「コネを使わせてもらった」
コネって。そんなものを持っている仁くんって何者なの。あ、朝霧菓匠の若旦那か。
自問自答している私に手が差し伸べられる。ドキドキしながら手を重ねると、ぐいっと力強く引っ張られた。
「行こう」
「待って、荷物が」
「なにも持っていかなくていいから」
そう言われても、さすがに身ひとつで行けない。床に置きっぱなしにしてあったバッグを掴む。
今日使おうと思っていたバッグだから必要最低限のものは入っている。
なにもそんなに急がなくても。チェックインの時間がすぐとか?
詳しい説明もなく、訳がわからぬまま仁くんの車に乗り込んだ。
「この恰好でいいなら」
手持ちの服の中で一番女の子らしい白のワンピースを選んだ。ウエストにギャザーが寄っていて、コルセットベルトをしているようなシルエットがお嬢様っぽい雰囲気を醸し出している。
「うん、いいか」
仁くんはひとりで納得してソファから立ち上がる。
「どこに行くの?」
「フローリデホテル。部屋で食事ができるように手配した」
「あそこって何か月も予約待ちって聞くよ?」
「コネを使わせてもらった」
コネって。そんなものを持っている仁くんって何者なの。あ、朝霧菓匠の若旦那か。
自問自答している私に手が差し伸べられる。ドキドキしながら手を重ねると、ぐいっと力強く引っ張られた。
「行こう」
「待って、荷物が」
「なにも持っていかなくていいから」
そう言われても、さすがに身ひとつで行けない。床に置きっぱなしにしてあったバッグを掴む。
今日使おうと思っていたバッグだから必要最低限のものは入っている。
なにもそんなに急がなくても。チェックインの時間がすぐとか?
詳しい説明もなく、訳がわからぬまま仁くんの車に乗り込んだ。