嫁入り前夜、カタブツ御曹司は溺甘に豹変する
それからしばらくして遊茶屋で使う餡と皮を数種類、店頭に並べる和菓子の補充分を持って私たちは店へと足を向けた。
朝霧菓匠はこの本店と、少し離れた駅ナカのデパートに支店がある。駅ナカとは、日本の鉄道事業者が管轄下にある駅構内に展開する商業スペースの通称。
朝霧菓匠は機械に頼らず、餡の製造・加工から、生菓子、焼き菓子、羊羹などの竿物をすべて工房で作っていて、味の質が落ちないようにあえて店舗数を増やさず、ネット販売も期間・数量限定の予約制にしている。
仁くんの祖父、朝霧秋正が製菓学校に入学して和菓子の基礎を学び、十年の修行を得て三十歳の時に開店させた朝霧菓匠はまだ老舗と名乗れるようになってから日が浅い。
それでも熱狂的なファンが多く、和菓子業界ではここ数十年ずっと勢いのある店だと注目されている。
当の朝霧秋正は今では滅多に店や工房に顔を出さず、別荘地で奥さまとふたりでゆとりのある生活を送っているのだとか。
裏口から店内に入って材料を置いたところでタイミングよく仁くんが姿を現した。
朝霧菓匠はこの本店と、少し離れた駅ナカのデパートに支店がある。駅ナカとは、日本の鉄道事業者が管轄下にある駅構内に展開する商業スペースの通称。
朝霧菓匠は機械に頼らず、餡の製造・加工から、生菓子、焼き菓子、羊羹などの竿物をすべて工房で作っていて、味の質が落ちないようにあえて店舗数を増やさず、ネット販売も期間・数量限定の予約制にしている。
仁くんの祖父、朝霧秋正が製菓学校に入学して和菓子の基礎を学び、十年の修行を得て三十歳の時に開店させた朝霧菓匠はまだ老舗と名乗れるようになってから日が浅い。
それでも熱狂的なファンが多く、和菓子業界ではここ数十年ずっと勢いのある店だと注目されている。
当の朝霧秋正は今では滅多に店や工房に顔を出さず、別荘地で奥さまとふたりでゆとりのある生活を送っているのだとか。
裏口から店内に入って材料を置いたところでタイミングよく仁くんが姿を現した。