嫁入り前夜、カタブツ御曹司は溺甘に豹変する
初めはお見合いの話もなく、居候させてもらう予定だったらしい。それが、弥生さんが唐突に『年頃の若い娘さんをなんの約束もなく預かれない!』と言い出し、話がどんどん発展していって、最終的にお見合い話に辿り着いたそうだ。
そんなめちゃくちゃな話があるか、と思ったけれど、弥生さんと私の母親は自分たちの子供が結婚したらいいと密かに思っていたらしいので、なるべくしてなった結果だったのかもしれない。
盛り上がるふたりには悪いけれど、仁くんも杏ちゃんも首を縦に振るはずがないと私は鼻で笑った。
それなのに。
先ほどのプロポーズとも言える台詞を頭の中で反芻する。
仁くんが私を好きという可能性は限りなくゼロなので、なにを考えているのかまったく分からない。
ぐるぐると思考を巡らせながら再び仁くんを盗み見ると、こちらを見ていたらしい視線と交わる。
心臓がドキッと大きく鳴った。しかし仁くんは少しも表情を変えずに、お口直しにと出された手元のストロベリーソルベに目を移す。
返事を聞いてから私に話しかけようとする素振りすらない。
嫌われているわけではないはずだけど……。
そんなめちゃくちゃな話があるか、と思ったけれど、弥生さんと私の母親は自分たちの子供が結婚したらいいと密かに思っていたらしいので、なるべくしてなった結果だったのかもしれない。
盛り上がるふたりには悪いけれど、仁くんも杏ちゃんも首を縦に振るはずがないと私は鼻で笑った。
それなのに。
先ほどのプロポーズとも言える台詞を頭の中で反芻する。
仁くんが私を好きという可能性は限りなくゼロなので、なにを考えているのかまったく分からない。
ぐるぐると思考を巡らせながら再び仁くんを盗み見ると、こちらを見ていたらしい視線と交わる。
心臓がドキッと大きく鳴った。しかし仁くんは少しも表情を変えずに、お口直しにと出された手元のストロベリーソルベに目を移す。
返事を聞いてから私に話しかけようとする素振りすらない。
嫌われているわけではないはずだけど……。