嫁入り前夜、カタブツ御曹司は溺甘に豹変する
私が中学生になったあたりから仁くんとは急速に距離ができてしまった。
ちいさい頃はあんなに仲がよかったのに。
仁くんが私を避け、遠ざけているのはさすがに気づいた。私は中学生だったけれど仁くんは大学生。恋人だっていただろうし、お酒を飲めるようになると社交の場も一気に広がる。
まだまだ子供で、しかも異性である私の扱い方に困っていたのかもしれない。
すべては憶測だけれど、きっとそう。
十年を経て、あの頃の仁くんとようやく同じ年になった。そして仁くんは、三十代という一番脂がのって魅力的に感じる年齢になった。
いつまでも追いつけない。
「なにか頼む?」
仁くんが私の空になったグラスに視線を送って聞いてきた。
「あ、えっと、飲みやすいカクテルってあるのかな?」
お酒が飲めるようになって日が浅いので、カシスオレンジくらいしかカクテルの名前を知らない。
ちいさい頃はあんなに仲がよかったのに。
仁くんが私を避け、遠ざけているのはさすがに気づいた。私は中学生だったけれど仁くんは大学生。恋人だっていただろうし、お酒を飲めるようになると社交の場も一気に広がる。
まだまだ子供で、しかも異性である私の扱い方に困っていたのかもしれない。
すべては憶測だけれど、きっとそう。
十年を経て、あの頃の仁くんとようやく同じ年になった。そして仁くんは、三十代という一番脂がのって魅力的に感じる年齢になった。
いつまでも追いつけない。
「なにか頼む?」
仁くんが私の空になったグラスに視線を送って聞いてきた。
「あ、えっと、飲みやすいカクテルってあるのかな?」
お酒が飲めるようになって日が浅いので、カシスオレンジくらいしかカクテルの名前を知らない。