【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
見張りはいない……。
先へ進んだ虹くんの合図で私も寮長室の前を無事に通過!
進路調査票にスパイって書いてもいいかもしれない。
だがしかし──
「……鍵なんて、どこにもないよ!」
さっきまでスパイを希望したのはどこの誰だ!
残念なことに収穫なし。
探せた空き部屋はたったのふたつだ。
使われていないデスクや古い掛け時計の中まで見たのに、鍵なんてどこにもない!
「ヒントが漠然としすぎだから仕方ないな」
「王様の棟としか書かれてないなんて、もっとヒントくらいくれてもいいのにね!」
ずいぶんとケチな送り主だ!
ヒヤヒヤしていたはずなのに、私はだんだんムッとして愚痴まで零していた。
「どこを調べたのかもう一度整理した方がいい。それに、今俺らがいる場所は階段から一番遠いだろ?」
うむ……ここにいて万が一があれば、袋のネズミだ……。