【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
「賛成、です!」
よしっ、と来た道を辿り、細心の注意をはらって階段を目指していたその時だった。
暗闇の中で、キラリと何かが光ったのだ。
「……ちょ、虹くんあれってもしかして……」
目を凝らして見る虹くんが、宙へとスマホのライトをかざした。
「あれ、あそこ……! か、鍵!?」
寮長室の前にぶらさがっているのは、紛れもなく鍵だ。
「なんかくっついてんだけど」
アンティーク調の古めかしい鍵には紙が貼り付けられている。
あれ、なんか、書いてある……?
【 Over the Rainbow 】
「んぅ? オーバー……えと……」
続きが書かれていて、見上げた文字を小声で読み上げようとすると、
「──虹の彼方(かなた)には、宝物が眠ってる」
「え?」
隣に並んだ虹くんがその紙を見ながらポツリと呟いた。
「そういう意味だよ」
……と、虹くんが教えてくれた。
虹の彼方に、宝物が眠ってる……。
大切なヒントなのかもしれない。