【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2


「でも、どう見ても怪しいだろ、これ」


「そうだよね……なんか、ほれほれここに鍵がありますよ〜みたいにあるなんてさ?」


「だいたい、さっき俺らが通った時はこんなもんなかったろ」


「……確かに! え、じゃあまさか」



見えざる手でも現れたんじゃ……と、非現実的なことを想像してしまったんだけど。



「誰かが仕掛けたんだろ。それなら説明がつく」


「じゃあ、やっぱりこの寮の誰かが……?」



何かの目的のためなのか、仕掛け人がいるってことに間違いないだろう。



「クリアするにはこれを持って帰るしかないんじゃない?」


「待って虹くん……っ、私、ヘマするかもしれない……逃げ遅れたり、転んだり転がったり……」



虹くんまで道連れにしてしまう……。



「一緒に行けばいいだろ」



それは、突然だった。


虹くんの大きな手が、私の手をそっと絡めとる。

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