【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2


「母さんは、生まれた時からこの瞳をした俺によく言ってたことがある」



──“あなたの世界も、きっといつか、とても優しく映るのよ”



「それでも俺は自分が嫌いで許せなかった。どこにいてもいつも苦しくて。プールで出会ったお前のことも、助けられなかった」



だからあの場所は苦手なんだ……と、虹くんが打ち明ける。


私達の共通点はずいぶん前からあったのだ。

だから虹くんは、私が過去を打ち明けた時、あれほどまでに驚いていたのかもしれない。



「あの時の……? 本当に、虹くんが……?」



頷いた虹くんのグリーンの瞳は、あの頃と変わらずに見惚れるくらい綺麗で。


ただただ驚く私の瞳に、再び涙がこみ上げてくる。



「……虹くんの秘密。深恵くんが、私に言ってた……“俺だけが知ってる”って……」



ずっと気になっていたことが、すとんと胸の上に落ちてきた。

< 335 / 369 >

この作品をシェア

pagetop