【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
「虹くん……! ダメだよ、いきなり声かけてきたら……」
「は? なんで?」
誰もいない階段下まで来ると、私は思い切って告げてみる。
「だって、虹くんは学園のプリンスなんだよ!? そんな人が、私みたいなのに声かけるってだけで大事件なんだから!」
自分が君臨している場所の高さを知ってもらいたいものだ。
「へぇ。じゃあ、ふたりで同じベットに寝てるってことが知れ渡ったらどうなるわけ?」
ギクッ!
得意気な顔を平然と近づけてくる。
「……なっ!? その時私は、地球上に存在してないかもしれない……」
それは前代未聞の迷宮入りよ!!
じゃなくて……。
今の誰かが聞いてたらどうすんの!?
辺りを念入りに見回したけど、誰もいない。