【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2


よかった……聞かれてなくて。



「これお前にやるよ」



ヒヤヒヤする私をよそに、突然、虹くんがポケットから何かを取り出した。



「これ……って、お菓子?」



一日の栄養が補える優秀なウエハースではないか!


一本172円もするからありがたい!!



「でも、なんで……」


「朝飯食ってないだろ」


「あ……そうだった。ありがとう……」



教室に戻って早く食べたいけど、ぼっちだから周りを気にしてしまう傾向があるし……。



「今食べてけば?」


「えっ、もったいなくて食べれない……!」



せっかく虹くんが気にかけてわざわざくれた物だもん。

こんな風に男子が優しくしてくれたことも、初めてだったりする。

貴重な出来事だ。


だけど、ぐぅ〜〜ぐるるるぅ〜、と……ある音と勘違いされるような激しい音がお腹から響いた。

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