【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
「ぎゃっ!」
「お前の腹の住人は素直なんじゃない?」
「っ、」
「それに教室だと落ち着かないんだろ?」
虹くんってば、私の胸の内を読み取ったみたい。
「落ち着かない……かも。ひとりだからなんか、恥ずかしいっていうか」
「ひとりでいることの何が恥ずかしいわけ?」
長い前髪の隙間から覗く虹くんの瞳が、真っ直ぐに私を見つめた。
「恥ずかしいことなんかじゃないだろ。気にすんな」
わっ……。
虹くんが、私なんか相手にそんな風に言ってくれるなんて。
男子という生き物が優しいのかもしれないって思ったのは、初めてのことだ。
今まで出会ったことのないタイプだ……。
虹くんのことをまだちゃんと知らないけれど、そういう一言に救われた気持ちになった。