【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2


「ねぇ虹くん。これ、食べていい?」


「好きにすれば。お前にあげたもんだし」



私は早速その場でむしゃむしゃ頂いた。



「美味しい……っ! 虹くんありがとう!」


「……別に」



虹くんは私が食べ終わるまで「こぼすな」とか言いながら、隣にいてくれたのだった。



* * *


しかし、その日の放課後、クラスに衝撃が走った。


帰りの支度を終えて教室を出ようとしたその時。


あ……。

私、エスポワールまでどうやって帰ればいいの!?


男子寮に普通に通してもらえるわけがないって話だ!


通過さえ出来ないし、ほふく前進ですらかいくぐることは出来ないだろう。


なんたって異性の行き来は厳禁!

< 53 / 369 >

この作品をシェア

pagetop