きっと、月が綺麗な夜に。
公園の撮影を済ませ、タイムスケジュール通りの場所を数箇所巡り、最後は昨日と同じで海での撮影になる。
移動車では、爆睡する美矢とウトウトしているケンゴの為に、大人3人は静かにしていた。
とはいえ、小さな島だ。移動にそう時間はかからない。
スケジュールは思ったより早く進んでいる。ついに睡魔に負けて目を閉じたケンゴを確認し、海沿いにそっと車を停車させた僕らは顔を見合わせた。
「30分くらい休憩しましょうか」
「そうですね。この子、昨日あれから編集頑張ってたみたいであまり寝てませんし」
「猫ちゃんのメイク直しはボクに任せて。まあ、素材がこんなに良いからちょちょいのちょいでしょ」
思っていることは皆同じだったらしく、僕達大人はそっと車から降り、美矢のベストと同じ空の下、クーラーボックスに忍ばせていた梅酒ソーダの缶を取り出した。
「悪い大人ですねぇ、俺達」
「良いんじゃない?これ、仕事じゃないんだから」
運転係の僕はお酒は飲めないから、代わりにソーダの瓶を開けて3人で乾杯。
しゅわ、と喉の奥に炭酸が染みる。いい大人3人集まって海沿いでの乾杯なんて、変な気持ちだ。