きっと、月が綺麗な夜に。
「いやあ、忘れかけてた青春みたいな2日間でした」

「梅酒含む?」

「はい、梅酒含む」


師匠さんと優は余程馬が合うようで、この2日間で随分仲が良さそうにしている。

この師匠さん、今はデザイナーと映像クリエイターをフリーランスでやっているようだが、昔はバリバリ映画やMV撮影に携わっていた人らしい。


「昔の仲間が旅猫少女のファンでしてね。このMVも楽しみにしてるんですよ」

「まだチャンネル出来て1ヶ月も満たないのに業界の人まで虜にするなんて凄いですね、あの2人は」

「はは、美矢さんの魅力と才能がとにかく凄いですから。ケンゴが凄いのは僕の弟子なので当たり前、と言っておきます」


弟子であるケンゴを余程可愛がっているのか、師匠さんは自信満々に胸を叩いて誇らしそうにすると、はは、とまた小さく声を出して頭をかいた。


「高校なんて通信制にして、ボクのところで働かないかな?会社立ち上げて映像部門作んのもありだと思うんだよね」

「それは最低4年は待って。高校には行かせてあげたいから。先生としてね」

「何他人事みたいに澄ましてるの?会社立ち上げたら教師なんか辞めさせてとらちゃんも働かせるから。勿論貴方にも協力してもらうし」


冗談なのか何なのか、優の提案に僕も師匠もタジタジだ。ここ2日、千明に対してや僕らへの発言に、優のビジネスマンの部分が反映してる気がしてならない。
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