きっと、月が綺麗な夜に。


現地解散式にしたおかげで、僕は自分の買い物を早めに済ませることが出来た為、涼むためにカフェに腰を落ち着かせた。


髪をカットだけ済ませ、欲しかった新しい5分丈から7分丈のインナーと夏服の補充、そして秋冬のアイテム達に、前から目をつけていた防水性の少しお高い時計をこっそり入手。楽しみにしていた作者の小説に、りょーちゃんが予約していた新しい出刃包丁の受け取りも。


すっかりうちにいついてるクロミ用の可愛らしい首輪。あと、美矢の為に購入したスマホ、新しいギター演奏用のピックと、爪ヤスリ。

ギターに長らく挟まっていたピックはやはり古さも相まって使いにくそうで、指弾きで演奏していた姿や日に日に伸びる左手の爪を無理やり爪切りのヤスリ部分で削ってる彼女を見て、お節介ながら、ささやかな贈り物にと購入した。

ヤスリの突起の反対側の猫のシルエットが、どことなくクロミに似ていて、なんだか、美矢が喜んでくれる気がして、僕の買った新しいベイカーパンツより値の張るプレゼント。改めてよろしく、の意味も込めて。

幼い頃、爪の手入れでコンディションが変わると口酸っぱく父がボヤいていたのを思い出し、懐かしさと、温かさと、ちくりと痛む胸の痛みを、ほろ苦いカプチーノで流し込んだ。
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